太陽光パネル×一括受電で変わる!次世代の「賢いエネルギー自給」とは?
電気料金の高騰が続く昨今。「自分たちで使う電気は、自分たちで作り、賢く使う」という自給自足のスタイルが、単なる理想ではなく現実的なコスト削減策として注目されています。
「太陽光発電は戸建て住宅のもの」というイメージを持っていませんか?実は集合住宅やテナントビルへの設置は十分に可能で、導入する不動産オーナーは年々増えています。共用部の電気代を自前の発電でまかなう仕組みは、コスト削減・空室対策・災害への備えという3つの効果が期待できます。
Grid Tips 編集部
再生可能エネルギーに関する情報収集・取材・記事制作を専門に担当。公的機関の情報および自社グループの施工実績をもとに作成しています。
「太陽光発電って、庭のある戸建て住宅でやるものでしょ?うちのマンションには関係ない話だ」
そう思っているオーナーは少なくありません。しかし、その認識は少し古くなっています。
技術の進歩と設置方法の多様化によって、集合住宅・テナントビル・商業施設への太陽光発電の設置は、今や珍しいものではなくなりました。施工現場でも「マンションの屋上に設置できますか?」という問い合わせは年々増えており、実際に導入するオーナーも増え続けています。
この記事では、集合住宅やテナントビルへの太陽光発電導入が現実的な選択肢である理由を、具体的にお伝えします。
太陽光発電というと、傾斜した屋根に並んだパネルのイメージが浮かびます。しかし実際には、設置できる場所はもっと多様です。
集合住宅で最も多い設置場所です。フラットな屋上であれば架台(パネルを支える台)を使って角度をつけて設置できます。屋上が広いほど設置できる枚数が増え、発電量も大きくなります。建物の構造や築年数によって設置可否が変わるため、事前の調査が必要です。
駐車場の屋根として太陽光パネルを設置する方法です。発電と日よけ・雨よけを兼ねるため、駐車場のリニューアルと同時に導入するケースが増えています。屋上に設置するスペースが確保しにくい物件でも対応できます。EV(電気自動車)の普及に備えた充電設備との組み合わせも注目されています。
従来のシリコン系太陽光パネルは重量があるため、建物の外壁への設置は技術的に難しい状況が続いていました。しかし、軽量・柔軟という特徴を持つ「ペロブスカイト太陽電池」の登場によって、この状況が変わりつつあります。
資源エネルギー庁は、建物の壁面や耐荷重性の低い屋根など、これまで導入が困難だった場所への設置を可能にする次世代技術として、ペロブスカイト太陽電池の活用を期待すると明示しています。国は2040年に約20GWの導入を目標として掲げており、2025年度からは導入補助事業も開始※1されています。
集合住宅への普及はこれからの段階ですが、外壁面積の大きいマンションやテナントビルにとっては、将来的に有望な選択肢となる可能性があります。今後の技術動向として把握しておく価値がある情報です。
実際のところ、なぜ今、集合住宅への導入が増えているのでしょうか。オーナーが導入を決める主な理由は3つです。
マンションの共用部にかかる電気代は、オーナーが負担するのが一般的です。廊下の照明・エレベーター・オートロック・エントランスの空調など、入居者が節電しても変わらない固定費です。
太陽光発電で作った電気をこの共用部に使えば、電力会社から買う電気の量が減り、毎月の電気代を抑えられます。自分の物件で作った電気を自分の物件で使う、この「自家消費」の仕組みが、直接収益の改善につながります。
2022年度の業務他部門のエネルギー消費全体に占める動力・照明用の割合は46%※2となっており、最大のシェアを占めています。管理コストを抱える不動産オーナーにとって、電気代の削減余地は大きいといえます。
住宅の省エネルギー性能への関心は、政策面でも高まっています。国は2030年度以降に新築される住宅・建築物についてZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準の水準の省エネ性能確保を目指しており、新築集合住宅に占めるZEH-M(集合住宅版ZEH)化率は2023年度で35%に※3達しています。こうした流れのなかで、省エネ性能や再エネ設備は新築物件の標準的な訴求ポイントになりつつあります。
既存の集合住宅でも、太陽光発電の導入によって共用部の電気代削減を管理費・共益費の抑制に反映できれば、入居者にとっての実質的なメリットになります。新築物件との差別化を図るうえでも、エネルギーコストを抑えられる環境を整えることは、オーナーにとって有効な打ち手のひとつです。
近年、台風・地震・大雪などによる停電が各地で発生しています。停電時にエレベーターが止まり、オートロックが機能しなくなると、入居者の生活に直接影響します。
太陽光発電に蓄電池を組み合わせると、停電時でも共用部への電力供給を一定時間維持できます。「このマンションは停電時も電気が使える」という安心感は、入居者の満足度と物件への信頼感につながります。
BCP(事業継続計画)の観点からも、オーナーが物件を維持・管理し続けるうえで、停電対策は今後ますます重要になっていくと考えられます。
数年前まで、太陽光発電といえば「発電した電気を電力会社に売って収益を得る」FIT(固定価格買取制度)が主流でした。しかし、FITの買取価格は年々下がり続けており、売電だけを目的とした導入はメリットが薄れています。
代わりに注目されているのが「自家消費」モデルです。発電した電気を売るのではなく、自分の建物で使うことで電力会社への支払いを減らすという考え方です。
買取価格が下がっても、自家消費であれば電気代の削減効果はそのまま残ります。電力単価が上がれば上がるほど、自家消費の価値は高まる構造です。集合住宅への導入が増えている背景には、この「売電から自家消費へ」というトレンドの変化があります。
「うちの物件でも設置できそうだ」と思ったとき、次のステップとして確認しておきたいポイントがあります。
屋上や屋根の面積・状態、建物の構造(RC造・鉄骨造など)、築年数を把握しておくと、事前の相談がスムーズになります。分譲マンションの場合は、管理組合との調整が必要になる場合もあります。
共用部・専有部それぞれの月別電力使用量を把握しておくと、導入後の効果をより具体的に試算できます。電力会社からの検針票や明細書で確認できます。
国・都道府県・市区町村にはそれぞれ太陽光発電や蓄電池への補助制度があります。制度は年度ごとに変わるため、各自治体の窓口または資源エネルギー庁のウェブサイトで最新情報を確認してください。費用や規模は物件の状況によって変わるため、詳細はお問い合わせください。
「太陽光発電は戸建て住宅のもの」という時代は終わっています。集合住宅・テナントビルへの設置は今や現実的な選択肢であり、共用部の電気代削減・空室対策・停電への備えという3つの効果が期待できます。
売電よりも自家消費が主流になった今、電気代が上がるほど自家消費の価値も高まります。「自分の物件に設置できるか」を確認するだけなら、無料の現地調査から始められます。まずはお気軽にご相談ください。
電気料金の高騰が続く昨今。「自分たちで使う電気は、自分たちで作り、賢く使う」という自給自足のスタイルが、単なる理想ではなく現実的なコスト削減策として注目されています。
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